オーキシン |
最初に植物ホルモンとして認識されたもので,発見のきっかけは植物に光を当てると,茎は光の方向に屈曲する「屈性現象」をヒントに,多くの研究者が携わって発見されました。
オーキシンとはギリシャ語で成長を意味する「auxo」からオーキシン(auxin)と呼ばれるようになりました。
作用として,茎・根の伸長成長,頂芽の成長,果実の肥大,発根,組織分化などの促進,側芽の成長,果実,葉の脱離などを阻害します。 |
ジベレリン |
1926年黒澤氏によって発見された植物ホルモンで,唯一日本人が発見したものです。稲の馬鹿苗病から発見されたもので,この病気の病原菌が出す毒素が馬鹿苗(徒長苗)にしていることから,この毒素が単離されました。この物質は馬鹿苗病菌の学名(Gibberella
fujikuroi)からジベレリンと命名されました。
その後,ジベレリンと同じ作用を持つ物質が植物体に含まれていることが分かり,現在79種類発見されています。これらは,発見された順番にジベレリンA1(GA1)〜ジベレリンA79(GA79)と番号が付いています。市販のジベレリンはGA3。
作用として,茎,根を細長く伸ばすのが主な特徴です。他にも抽だいの誘導,春化処理の代用,発芽促進,開花促進,勝つ実促進,落葉抑制などがあります。 |
サイトカイニン
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植物を切断すると,切り口を治癒する細胞塊(カルス)が作られることをヒントに発見された植物ホルモンで,サイトカイニンとは,細胞分裂を促進する化合物の総称です。
サイトカイニンの名称は1964年に植物体内からゼアチンを発見した研究者が提唱した名称です。
作用として,カルスの形成,側芽の成長,細胞の拡大,クロロフィル合成促進,種子発芽の促進があります。 |